君が愛おしくて。クールなエリートSPの甘く一途な溺愛事情
伊勢谷元総理の邸宅に着いて、心の中で舌打ちをした。
(……なんで愛美がいるんだよ)
嫌気が差す気持ちをグッと堪えながら車を降りる。
「ご無沙汰しております。伊勢谷元総理」
「郡司くん。今日はよろしく頼むよ」
ゴツゴツとした厚い手で、伊勢谷元総理は僕の肩を軽く叩く。
「今日は、新人の上野がサポートに入らせていただいます」
隣にいた上野に挨拶を促すと、上野はロボットのよう固い動きをしながら、伊勢谷元総理の前に来ると頭を下げた。
「う、上野です……!!」
威勢の良すぎる挨拶に、さすがの伊勢谷元総理も目を見開いた。
(大丈夫かこいつ)
少々、不安はあるが、なんとかなるだろうと思う。
「要さん」
名前を呼ばれ、仕方がなく伊勢谷総理の隣に目を向けると、品の良い笑みを浮かべた愛美と目が合う。
「今日は私も父の病院に付き添うからよろしくね」
そう言うと、愛美は僕の隣に移動してきて腕を絡めてくる。
本当は今すぐにも振り解きたい気持ちを我慢して、いつもの如く、得意の仕事用スマイルを浮かべた。
「はい、よろしくお願いします」
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