君が愛おしくて。クールなエリートSPの甘く一途な溺愛事情
こんなにも心地よく寝られたのは、いつぶりだろうか。
(ふわふわと、温かい……)
気持ち良さに目を覚ますと、要くんの綺麗な顔が至近距離に合って、驚いて仰け反りそうになる。
一瞬、なぜ自分の部屋に彼がいるのかと驚いたが、すぐに思い出した。
(そうだ、昨日は要くんとホテルに泊まって、それで……)
思い出しただけでも恥ずかしくて、両手で顔を覆う。
(私から、あんな声が出るなんて……)
羞恥の気持ちから、頭を振って淫らな自分を忘れたくもなるけど、嬉しさの方が勝った。
(本当に要くんと一つになったんだ。夢じゃ、ない)
「ん……」
伏せられていた綺麗なまつ毛が上がり、閉じられていた瞳が開く。
「お、おはよう……!」
「……ああ、花音。おはよう……」
要くんは気だるけな声でそう言うと、私をきつく抱きしめた。
「朝起きたら君がいる。最高だね」
子供のようにくしゃとした無邪気な笑みを浮かべられ、心臓が掴まれたようになる。
(寝起きの要くんも破壊力抜群)
「お腹空かない? 何か頼もうか」
起き上がり、ベッドから出て行こうとする要くんの腕を掴む。
「私が頼むよ」
「ダメ、体、きついでしょ?」
「そ、そんなこと」
(……あります)
首を項垂れさせた私を見ると、要くんはふと笑い、跪いた。
大きな手が、頬に添えられる。
「ごめんね。優しくしたかったんだけど、制御できなかった。ずっと……君が欲しくて欲しくて、たまらなかったんだ……」
申し訳なさと、愛おしさが混ざった表情。
要くんはそう言ったけど、私を抱いた彼は、終始優しかった。触れる手も、見つめる瞳も、囁く言葉も。私のことを大切に思ってくれているんだと思った。
(私も、自分の気持ちを素直に)
「私も……嬉しかった、から」
「花音……」
(っ……自分で言って、恥ずかしい……)
布団で顔を覆い隠すと、甘く優しい笑みが聞こえた。
「朝ご飯、用意するね」
明るく幸せに満ちたような笑みを浮かべ、私の頬にキスを落とすと、要くんは今度こそベッドから出ていった。
遮光カーテンの隙間から、太陽が優しく降り注ぐ。
こんなに幸せな朝は、生まれて初めてだ。
< 28 / 115 >

この作品をシェア

pagetop