君が愛おしくて。クールなエリートSPの甘く一途な溺愛事情
外食なんて久しぶりだ。
駅前、大勢の人が行き交うその姿の中に、彼を探す。
(要くんたち、まだかな)
三人で食事でもどうだろうか。そう要くんから連絡があったのは、昼頃の話。仲の良い同僚から、恋人である私のことを紹介してほしいと頼まれたらしく、今夜は三人で食事に行くことになった。
待ち合わせ場所になったのは、店から徒歩十分程度の距離にあるこの駅前。というのも、本当は要くんが店まで迎えに来てくれる予定だったけど、急な仕事が入って来れなくなってしまった。待ち合わせ時間を遅らそうかと言われたけど、それじゃあせっかくの予定が勿体なくなってしまうと思い、人通りの多い道を通ることを条件に、一人で行くことを承諾してもらった。
絶対に携帯は手から離さないこと。交番の位置を確認しておくこと。
要くんに口うるさくそう言われ、私の手にはしっかりと携帯が握られ、斜め向かいには交番がある。心配性なんだからと思いつつ、彼からの愛情を感じた。
(あっ……)
駅の改札口から、スーツを着た二人の男性が歩いてくるのが見えた。
二人とも高身長な上に端正な顔立ちをしていて、遠くからでも一際目を引いた。
「ごめん、お待たせ」
「ううん、さっき来たところだから」
要くんの後ろから、活発そうな男性がひょっこりと顔を出す。
「こんばんは」
男性は人懐っこそうな笑みを浮かべ、私に会釈をする。
「同僚の才川。で、才川、こちらが僕の恋人の今井花音さん」
「初めまして、才川宏人です。花音ちゃん、今日は急な誘いだったのにありがとね」
「いえ、こちらこそ」
(話しやすそうな人みたいでよかった)
「おい、馴れ馴れしいぞ」
「いいでしょ。名前で呼ぶくらい」
「才川が名前で呼ぶ必要はない」
「お前なー」
テンポの良い会話をする二人。
(要くんが食事に行くくらいの同僚の人って、どんな人かと思っていたけど、要くんとは全くタイプが違うみたい)
要くんのはっきりとした物言いと態度にも、才川さんは毅然としている様子だった。
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