君が愛おしくて。クールなエリートSPの甘く一途な溺愛事情
「あなたのこと、調べさせてもらったわ。随分と複雑な家庭環境をしているのね? お母様はあなたを産んで亡くなり、それから、お父様は自暴自棄になった」
「そ、それは……」
言葉を詰まらせる私にお構いなしで、愛美さんは話を続ける。
「あなたが高校生の頃、お父様は再婚されたらしいけど、お相手の方は息子さんをおいて、すぐに家を出て行ったとか」
(そんなことまで知られているなんて)
家の話を持ち出され、何も言えず、黙ることしかできなかった。
そんな私を見て、高飛車に鼻で笑った愛美さんは、追い打ちをかけるように、話に拍車をかける。
「要さんは優秀な警察官よ。SPなんかじゃなくて、もっと上のポジションを目指せる。でもあなたがいたらそうできない。分かる? あなたは要さんに相応しくない」
(……相応しく、ない……)
自覚があったせいか、その言葉は胸に刺さった。
(愛美さんが言っていることは、あながち間違っていない)
分かっていた。自分が彼に不釣り合いなことくらい。家柄も良くてエリートであの外見。そんな人に、地味でなんの取り柄もない、しかも問題付きの自分が、対等になれるわけがない。
愛美さんは綺麗で家柄も良くて、きっと要くんに釣り合うのは、愛美さんのような人。彼女なら、私が彼にあげられないものをたくさん上げられる。
心と共に、顔まで下を向いてしまう。
(私は……)
ふと視線に入ったのは、右手の薬指で輝く指輪。赤色の宝石が、鼓舞するように自分を見ている。
ルビーは、愛情の象徴だと言う。
前に彼が教えてくれた、石言葉は、情熱、勝利、そして__仁愛。
両手を固く結ぶ。
(要くん……っ)
優しく名前を呼んで、愛おしそうに見つめてくれる、彼の姿が頭に浮かぶ。
もらった温もりが、離れているいる今でも肌で感じる。
好きで、好きで、好きで。どうしようもない、この想い。
(私、こんなにも要くんのことが……)
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