君が愛おしくて。クールなエリートSPの甘く一途な溺愛事情
「ごちそうさま」
箸を置き、手を合わせ要くんは言う。
今日も完食だ。
お皿の中の料理が無くなるのを見ると、嬉しい気持ちがぐっと胸から溢れ出そうになる。
好きな人に料理を作ることは、私にこの上ない幸せを感じさせていた。
(毎度のことながら綺麗に完食してくれるから、作り甲斐があって楽しいけど、もっと健康的なものを作った方がいいよね。SPは体が基本で体力が必要な仕事だし、もっと栄養面を考えて作らないと)
おぼんに食器を載せ立ち上がると、要くんも椅子から立ちが上がる。
「僕もやる」
「大丈夫だよ」
「言うと思った」
要くんは私の手からおぼんを取り上げる。
「僕が一緒にやりたいんだ」
一緒にと言われたことが嬉しくて、大人しく甘えることに。
「あっ待って」
私が腕まくりをして蛇口を捻ろうとすると、隣に立った要くんに止められる。
「花音はこっち」
そう言われ、立っていた位置を交換され、布巾を持たされる。
「花音は拭いて。僕が洗うから」
そう言うと、要くんは私の両手を包み込む。
「綺麗な手なんだから、大事にしないと」
言いながら、愛しそうに撫でられ、体が熱くなるのを感じた。
「水仕事しているんだから、こんなこと、平気なのに」
「だからこそ家ではしないの」
今日は一段と甘い要くんに、違う意味で動揺しっぱなし。どこまでも甘々な彼といると、自分はどこかの国のお姫様なのかと錯覚してしまいそうになる。
(私がプリンセスなんて、似合わなすぎ)
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