君が愛おしくて。クールなエリートSPの甘く一途な溺愛事情
私は今までことを全て打ち明けた。店への無言電話、家のゴミが漁られたこと。今日、店の前で見張られていたこと、そして、跡を付けられたこと。
「本当は怖かったけど、今まで誰にも相談できなくて」
郡司くんは時折相槌を打ちながら、涙ぐむ私を宥めるように、背中を摩ってくれた。
「辛かったね。男の顔は見た?」
「ううん、フードで見えなかった」
「そうか……」
「全部あの人がやっていることなのか分からないけど、もうこんな状況嫌で……ごめん、郡司くんにこんなこと言って」
「いや、相談してくれてよかった。僕なら、今井さんの力になれると思うから」
そう言うと、郡司くんはスーツの懐から名刺を取り出し私に渡す。
そこに書かれていた肩書きは__警部。
「郡司くん、警察官なの?」
「まあね」
そう言って、郡司くんは少しだけ苦い笑みを浮かべた。
(郡司くん、警察官になったんだ。ご両親と同じ)
郡司くんのお父さんは元警視総監。お母さんは警察の中では名の知れた敏腕刑事。彼は警察一家の長男なのだ。
「今は、警備部の警護課ってところで、SPをやっているんだ」
「SP……?」
そう言われてみれば、彼のスーツの胸元には、SPバッジがつけられていた。
(SPって、テレビとかで見る、総理大臣や議員の要人警護している人たちのことだよね)
渡された名刺を改めてまじまじと見る。
SPになるのはかなりの狭き門と聞くけど、彼はすごい優秀なのだろう。
「今井さんってさ、今、付き合ってる人とかいる?」
「え? いないけど……」
(なんでそんなこと聞くんだろ)
「よかった」
「え?」
(よかったって言った……?)
動揺する私に、郡司くんは驚くべきことを口にした。
「僕と付き合ってほしい」
「……えっ……?」
思いがけないことすぎて、ポカーンとする。
(今、付き合ってほしいって言ったの? 聞き間違いじゃないよね……?)
「な、なんで……?」
(なんで郡司くんが、私に付き合ってなんて言うの?)
「今井さんが好きだから」
全く意味が分からなかった。でも、彼の顔は真剣そのもの。
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