君が愛おしくて。クールなエリートSPの甘く一途な溺愛事情
警視庁を出ると、覆面パトカーから才川が降りてきた。
僕に気づいた才川は、挨拶がわりに軽く片手を上げる。
僕も同じように片手を上げ返した。
「今帰りか?」
「ああ、才川はまだ仕事か?」
「今日は当直なんだ」
(そういえば、まだ才川に礼を言えてなかった)
「才川、こないだはありがとう。お前のおかげで犯人を捕まえることができた」
「いや、俺は何も。でも、まさか義弟だったとはな」
「……ああ」
事件からまだ日は浅い。花音も傷心してはいるが、少しずつ、前へ進みたいと思っている。
二人で、一緒に__。
警視庁の中から、才川のことを呼ぶ声が聞こえる。
「じゃあな、花音ちゃん……奥さんによろしく」
才川は僕の背中をポンと叩くと、警視庁の中へ入っていった。
腕時計を見ると、時刻は午後十八時半を回っていた。
(急ごう。彼女が待っている)
早る気持ちと共に、警視庁を後にした。
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