聖女のいない国に、祝福は訪れない【電子書籍化】
(こいつの始末は他人に任せておけばいいなど、悠長なことは言っていられなくなった……)
セドリックは勢いよくニセラを突き飛ばす。
彼女は水溜りの上に尻もちを付き、泥でドレスが濡れたことにショックを受けている。
彼はその隙に、腰元の剣を鞘から引き抜いて切っ先を首筋に当てた。
「きゃあ! もう、何するんですか~。セドリックったら、ひどーい!」
「これほど無礼な振る舞いをしておいて、反省の色すら見せないとはな……」
「えへっ。褒めてくれるなんて、嬉しいですぅ!」
「その笑顔すらも忌々しい……」
ニセラは首筋に剣先を突きつけられても、普段通りにおどけて見せた。
ある意味大物だ。
小物であれば、悲鳴を上げて後退りしていただろう。
(肝が座っていなければ、聖女を騙ろうなどとは思わないか……)
セドリックにはニセラが、他人に迷惑をかけるタイプの破滅志願者としか思えなかった。
セドリックは勢いよくニセラを突き飛ばす。
彼女は水溜りの上に尻もちを付き、泥でドレスが濡れたことにショックを受けている。
彼はその隙に、腰元の剣を鞘から引き抜いて切っ先を首筋に当てた。
「きゃあ! もう、何するんですか~。セドリックったら、ひどーい!」
「これほど無礼な振る舞いをしておいて、反省の色すら見せないとはな……」
「えへっ。褒めてくれるなんて、嬉しいですぅ!」
「その笑顔すらも忌々しい……」
ニセラは首筋に剣先を突きつけられても、普段通りにおどけて見せた。
ある意味大物だ。
小物であれば、悲鳴を上げて後退りしていただろう。
(肝が座っていなければ、聖女を騙ろうなどとは思わないか……)
セドリックにはニセラが、他人に迷惑をかけるタイプの破滅志願者としか思えなかった。