【Quintet】
『沙羅さんにはいつも沢山のかけがえのない物を貰っています。返しても返しきれないくらいに沢山の気持ちを……。僕達が沙羅さんにできることは沙羅さんをひとりにはしないこと。……今度は僕達が沙羅さんを守っていきます』
悠真の言葉と右隣に感じる海斗のぬくもり、後ろを振り返れば晴と星夜の笑顔があって。
皆の想いが沙羅の心に沁《し》みてゆく。
幸せだった。もうひとりぼっちじゃない。
皆がいるから……。
*
美琴の墓参りを終えた五人は南青山のイタリアレストランでランチタイムを過ごした。ランチの最中も沙羅は悠真が美琴の墓に向けて言った一言が頭から離れない。
──“お久しぶりです”──
悠真と母が知り合いだったとは父からも悠真からも聞いていない。けれど母のヴァイオリン教室でピアノの連弾をして遊んでいた“カイくん”が海斗だとすれば、同じ場所に兄の悠真がいても不思議ではない。
確かにあの場所にはもうひとり男の子がいた。
──“ゆうくんの音は水色だね”──
ふいに心によぎる少女の声にドキッとする。
大学で友達が話していた初恋の話。あの時も心の中にはヴァイオリンのメロディが流れていた。
透明に近い、澄んだ水色の音色。悠真が奏でるギターの音色を初めて聴いた時にも見えた澄んだ水色。
(私の初恋ってまさか……)
悠真の言葉と右隣に感じる海斗のぬくもり、後ろを振り返れば晴と星夜の笑顔があって。
皆の想いが沙羅の心に沁《し》みてゆく。
幸せだった。もうひとりぼっちじゃない。
皆がいるから……。
*
美琴の墓参りを終えた五人は南青山のイタリアレストランでランチタイムを過ごした。ランチの最中も沙羅は悠真が美琴の墓に向けて言った一言が頭から離れない。
──“お久しぶりです”──
悠真と母が知り合いだったとは父からも悠真からも聞いていない。けれど母のヴァイオリン教室でピアノの連弾をして遊んでいた“カイくん”が海斗だとすれば、同じ場所に兄の悠真がいても不思議ではない。
確かにあの場所にはもうひとり男の子がいた。
──“ゆうくんの音は水色だね”──
ふいに心によぎる少女の声にドキッとする。
大学で友達が話していた初恋の話。あの時も心の中にはヴァイオリンのメロディが流れていた。
透明に近い、澄んだ水色の音色。悠真が奏でるギターの音色を初めて聴いた時にも見えた澄んだ水色。
(私の初恋ってまさか……)