【Quintet】
 最も盛り上がるラストサビで海斗の声に星夜の声が重なり合う。沙羅はfull moonの世界観に酔いしれた。

作詞をしたのは海斗だとわかっていても、この歌は隼人と美月のラブストーリーが元になっている。

登場する男女が知り合いだと思うと余計に感情移入して心の奥がツンと痛くなった。
No.6オトギバナシからNo.8のfull moonまでが幻想、夢、恋、月のテーマで繋がっている。

 full moonの余韻が抜けきらないまま、インストのNo.9の東京午前零時。静と動、光と闇、ふたつの顔を持つ真夜中の東京が悠真のギター、星夜のベース、晴のドラム、彼らの華麗な演奏で表現される。

 No.10からは再びアップテンポな曲に。No.10のconvergeとNo.11の魔葯悲訳劇薬はこれぞUN-SWAYEDと言いたくなる王道のロック。物凄く格好いい二曲だ。

 ラストを飾るのはアルバムタイトルにもなっているWonder。日本語で主旋律を歌う海斗のバックコーラスに入る星夜の英語は、二人の歌唱力をまざまざと見せつけた作品だ。

 それぞれの想い巡らせ、最後に問いかけるは自分自身……。

『沙羅ー。どうだった?』

 放心状態の沙羅の代わりに晴がコンポからCDを取り出した。ケーキも食べかけで聴き入っていた沙羅はぬるくなった紅茶を一口飲んで落ち着いた。
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