二人で紡ぐLOVE STORY
「でもさ!
もっと早く花瑛も臣吾も言ってくれたら良かったのに!
別れたこと」

静恵がケーキの上の苺を、ツンツンと突っつきながら言った。

「え?あ…
ごめんね(笑)
まさか、むっちゃんが臣吾を想ってたなんて知らなくて!
臣吾も、むっちゃんには好きな人がいるからこのままが良いって言ってたし…」

「そっか(笑)」

「あ、あの…花瑛ちゃん」

「ん?」

「ほんとに、臣吾くんにはその……」

「ん?
あぁ!
大丈夫!未練はないから!
確かに好きだけど、それは友達として!
私には臣吾の重い愛は受け止められなかった…(笑)
それに、私はむっちゃんなら良いって本気で思ってる!
むっちゃん、自分のこと卑下してるけど、とっても可愛いと思うよ!」

「花瑛ちゃん…//////」

「ムツ、言ったでしょ?
恋をしてるからか、垢抜けてすっごく綺麗になったって!
大丈夫だから、自信持ちな!」

「うん//////ありがとう!」


「――――あ!ツバサだ!
私、行くね!」
花瑛のスマホにメッセージが入り、花瑛が微笑み立ち上がった。

「例の幼なじみさん?」

「うん!」

「今度、ちゃんと紹介してよ?」

「もちろん!」

花瑛も、幼なじみのツバサと交際を始めたのだ。
小さく手を振り、去っていく花瑛。

それを見送ると、静恵も「じゃあ…私も行くね!」と微笑んだ。

「うん!」
睦月も頷き、椅子から立ち上がった。
そして、大学内にあるコンビニに向かった。

「えーと…臣吾くんは、ブラックで……
私は……んー、ミルクティーにしよっと!
………ん?あ、新発売のシュークリームだ!
た、食べたい…(笑)」

飲み物とシュークリームを購入し、臣吾が受けている講義室の方に向かった。

ちょうど講義室のある建物の前に着いた辺りで、講義が終わりぞろぞろと学生が出てきた。

(おっ…ちょうど良かったかも?)

そして臣吾がスマホを片手に出てきた。
「あ!
臣吾く――――」

「美坂くん!」
「今からお茶するんだけど、一緒に……」

「行かないよ。
そこ、どいてくれる?」
微笑み、口調も優しい。
でもどこか冷たくて、突き放すような声色だ。

そして、こちらを向いた。
「あ!睦月!」

ふわりと笑う、臣吾。
その表情と声色には、溢れる愛しさがにじみ出ていた。


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