二人で紡ぐLOVE STORY
臣吾の重い愛 ②
交際が始まって、もうすぐ一ヶ月。

相変わらず臣吾と睦月は、基本的に二人一緒だ。
何処に行くにも二人一緒で、特に臣吾は睦月にべったりだ。


【おはよ〜!
今日、18時に△△駅で待ち合わせでいい?】

朝。
睦月がスマホ画面を見ながら、固まっている。

睦月の高校の友人・ミカからのメッセージだ。
「………」
(忘れてた…
今日、ミカちゃん達とご飯食べる約束してたんだった!)

「睦月、行くよ!
ん?どうしたの?」

「臣吾くん、あの…」

「ん?」

睦月は臣吾に、友人達との食事の約束をしていたことを伝える。
「え?じゃあ…夜は別々?」

「ごめんね。
前から会おうって話してて、やっとみんなの予定があったの。
臣吾くんと付き合う前に約束してて、すっかり忘れてた……」

「そっか…わかった!
あ、それって女の子だけだよね?
男はいないよね?」

「うん、大丈夫!」

「何時から?」

「6時に駅に待ち合わせだから……5時半には家を出たいかな?」

「じゃあ…服は着替えて行ってね。
それと駅に6時なら、20分前で良くないかな?」

「え?服、着替えるの?」

「そうだよ。
こんな可愛いのダメだよ。
僕が一緒の時だけ」

「うん、わかった!」
(おぉ…凄い…!
私、愛されてる〜)


――――――――――
――――――…………………

「――――は?
ムツ、バカなの?
“愛されてる〜”じゃないよ!
重い、ウザい、キモい!」

大学のテラス。
静恵が身震いしながら、声を荒らげた。

「へ?」

「いやいや、でも“これが”臣吾だから!」

「花瑛にも“こんなだったの?”」

「うん」

「え……」
静恵が、心底ひいている。

「確かに“かなり”重いけど“むっちゃんが受け入れてる”ならそれで良いのよ!」

「うん!大丈夫!
花瑛ちゃんの彼氏だった時の話を聞いてるから、覚悟ってゆうか…私は逆に嬉しい!
そんなふうに、必要とされたことなかったから」
花瑛の言葉に、睦月が頷いた。

「でもそれってさ」

「「ん?」」

「確かに、愛されてるかもだけど…
“信用されてないみたいじゃん”」

「あ…」
静恵の言葉に、今度は睦月も口をつぐんだ。

すると花瑛が、さらっと言った。


「臣吾は“誰のことも”信用してないよ……!」


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