二人で紡ぐLOVE STORY
「「え……?」」

睦月と静恵が、花瑛を見つめる。

花瑛はコーヒーを一口飲んで、飲み口をさりげなく指で拭いながら二人を見返した。

「臣吾は、誰のことも信用しない。
私の口からは言えないけど、とっても辛い過去があったから。
愛情が重いのも、全てにおいて完璧なのも…
全部、過去のせい。
だから私は、臣吾は愛情が重いだけで、決して支配欲の強い人だとは思わない。
ヤンデレとかでもない。
ただ…純粋なんだと思う。
だって、むっちゃんが嫌がることは絶対しないでしょ?
一途で、真っ直ぐで、温かい!」

「うん!」

「支配欲の強い、ヤンデレとかモラハラする人は、嫌がることもするじゃん!」

「そうね…」
「確かに…」

「あ、でもむっちゃん」

「ん?」

「“嫌なことは嫌って言うこと!”
臣吾に嫌われるかもだから、我慢しようとかはダメよ? 
結果的に、私みたいに臣吾から心が離れてしまうから」

「わかった!
静ちゃん、大丈夫だよ!
私は幸せだから」

「だったら良いけど!」

「この前も、一緒にショッピングに行ったんだけど、私下着買いたくて……
臣吾くんに、30分くらい別々でってお願いしたら、ちゃんと受け入れてくれたし!」

「フフ…
あ、それ!一度は“一緒に”って言わなかった?」

「あ…/////言われた(笑)」

「フフ…でしょ?(笑)
何処にでもついてくるもんね!(笑)」

「フフ…
私…臣吾くんは、寂しがり屋なのかなって思ってる。
ほら!束縛する人って、寂しがり屋でしょ?」

「そうね!
確かに(笑)
でも、その点光仁は自由だよね(笑)」
 
「そうね(笑)
正反対かも?
だって、普通に女の子と二人で出掛けたりするからね(笑)光仁は」

「そうだね(笑)
光仁くんに誘われたこと、何度かあるよ(笑)」
睦月もクスクス笑う。

「あーそれ!
光仁がね。
それで、めっちゃ怒られたって言ってた(笑)」

「あぁ…
だって、光仁くん。普通に“デートしよ?”って言うんだもん!
静ちゃんがいるのにダメでしょ!って言ったの」

「光仁も、また違った意味でおかしいよね…(笑)」

「「そうね(笑)」」

三人は、揃って笑っていた。


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