二人で紡ぐLOVE STORY
「でも良かった!
ヒデヤのことがあって、睦月恋愛出来ないんじゃないかって心配してたから……」

「あ…うん…」

「ほんと、最低だった!」

「うん…
この前ね、たまたま会ったんだよ?」

「嘘!?
大丈夫だった!?」

「うん。
彼がいたから」

「そっか!
良かった!」
「でもヒデヤのことだから、また来るんじゃない?」  
「そうそう!
人のこと見下してるってゆうか…睦月のことは特に見下してたもんね…」

「大丈夫だよ!
臣吾くんも、もう私の前に現れないように話したって言ってたし!」

「だったら良いけど…」

安心させるように微笑む睦月に、ミカはホッと肩を撫で下ろしていた。


一方の臣吾。

「――――嫌だよ、興味ないから」

『頼むよ、臣吾〜
ちょっと顔出すだけ!な?
みんなイケメンに会いたがってんだよー』

光仁と電話で話していた。
光仁が友人達と飲み会をしていて、顔を出さないかと声をかけられたのだ。

「そんなの知らないし」

『じゃあ、睦月と一緒でもいいから!
睦月にも会いたがってるし』

「は?」

『睦月は今、ちょっとした有名人だからな!』

「それ、どうゆうこと?」

『シズから、花瑛と睦月の三人で撮ったっつう写真が送られて、それをたまたま見ててさ。
その時、ダチも一緒にいたんだ。
で!
“何この、純情そうな子は!!”ってなったの』

「は?」

『最初は、花瑛を見て“ヤバい!美人過ぎる、紹介してー”ってなって、その後に睦月を見て“ピュアそうで、可愛い!紹介してー”ってなったの』

「何それ…
絶対!
会わせないからね?」

『あ、怒った?』

「勝手に連れ出したら、二度と街を歩けないようにするからね。
光仁の友達も含めて」

『おぉ…怖っ!
臣吾の場合は、本当に街を歩けなくさせられるもんなぁ〜
お前、強いもんなぁ〜破壊的に』

「………」

『その事知ってんの?睦月』

「は?」

『臣吾が本当は、物腰の柔らかい紳士じゃないってこと。
最悪の不良だったことだよ?』


「何?
“俺を”脅してんの?」 

臣吾を纏う雰囲気が、黒く落ちた。

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