二人で紡ぐLOVE STORY
も、モテ期到来?
「――――隣いーい?」

大学内のフリースペース。
学生達が勉強したり、飲食したり、雑談したりと自由に使える大広間のような空間だ。

臣吾と睦月は、互いに取っている講義の半分くらいが一緒であとは別々だ。

睦月はほとんど静恵と一緒なので、臣吾と離れた時はだいたい静恵といる。

しかし最近は、一人でフリースペースにいることも多くなった。

それは、静恵がバイトを始めたからだ。

もうすぐ夏休みということもあり、静恵はシフトを増やしたので講義以外はバイトに行ってしまうのだ。

今日はすることがなくて、雑誌を見ながら臣吾が講義を終えるのを待っていた睦月。

そんな睦月に、男子学生が声をかけてきた。

「あ…はい」
(まただ…!)

最近、この男子学生・ノボルがよく声をかけてくるのだ。

「何読んでるの?」
ノボルが雑誌を覗いてきた。

「あ…」

「雑誌か!
レポートは?終わったの?」

「はい」

「そっか!良いな!」

「………」
(なんで最近、声かけてくるのかな?)

隣でレポート作成を始めた、ノボル。
なんとなく、ノボルを見つめた。

「ん?」

「あ、ご、ごめんなさい!」

「ううん!」

「あ、あの…」

「ん?」

「何か、私に用ですか?」

「ん?
んー、まぁ…用がないことはない」

「え?」

「可愛いなって、思ってさ!
仲良くなりたいんだ!」

「………」
「………」

「………」
「聞こえてる?(笑)」
固まった睦月の顔を覗き込む、ノボル。
クスクス笑っている。

「……/////」

「睦月ちゃん、最近話題だよ?」

「え…//////」

「ほら、花瑛ちゃん達と一緒の時は、二人に消されててわからなかったけど、最近一人でいるでしょ?
だからかな?
目立つようになったってゆうか…(笑)」

「ど、どうも…ありがとうございます…//////」

「ほんと、可愛いね!
彼氏がいるのは、知ってる。
しかも“あの”美坂 臣吾だってことも。
だから付き合いたいとかじゃなくて、仲良くなりたいって思ってるんだ!
美坂がいない時でいいからさ、仲良くしてよ!」

「あ、はい…」

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