二人で紡ぐLOVE STORY
「――――飲み会?」

「うん。
光仁がしつこくて……
一度くらい行ってあげようかなって」

「フフ…そっか(笑)
うん!わかった!」

本当は“睦月も一緒に”と言われ、一度会わせて牽制しようと考えたが、どうしても会わせたくない。

とてつもない嫉妬心で、苦しくなるのだ。


大学を終え、少しアパートでゆっくりして出ていこうとする臣吾。
「睦月はどうするの?」

「ん?
特には…」

「できる限り、家にいてね?
夜出歩くのは危ないから!」

「はい!」
小さく手を上げると、微笑んだ臣吾に抱き締められた。

「………」
(はぁ…可愛すぎ…
離れたくない…
行きたくない…)

「ん?臣吾くん?」
背中をポンポンと撫でる。

臣吾は向き直って微笑み「じゃあ…行ってくるね!」と小さく手を振った。

待ち合わせの駅に着き、中にあるコンビニに寄った臣吾。
煙草とドリンク剤を購入した。

コンビニを出てドリンク剤を飲み、ゴミ箱に捨てたあたりで光仁達が現れた。

「臣吾!」

「ん」

「睦月は?」  

「は?だから、会わせないって言ったよね?」

「ケチだな、ほんと!」

「そうゆうの、ケチって言わないよ?」

「フッ…
じゃあ…行くか!」

居酒屋に向かう。
飲み物や食べ物を頼み、乾杯をする。

「つか、ほんとイケメンだな〜」
「俺も惚れるわ〜」

「だろ?
綺麗な顔してんだよなぁ〜臣吾」

「キモいよ」

「光仁と臣吾は、いつからの付き合いなの?」

「「中学」」

「へぇ~、長いんだな!」

「まぁな!
なんか、合うっつうか…」
「変な気を遣わなくていいって感じかな?」

「正反対なのに?」

「「そうだな」」

「光仁に少し聞いたけど、中学ん時凄かったんだろ?臣吾」

「そうだね」

「高校生相手に、一人で蹴散らしてたからな(笑)」

「中坊の時?」

「あぁ」

「「スゲー」」
 
「中二で既に、色んなチームから誘われてたよな?臣吾」

「うん」

「中には、ほら!最強って言われてた…えーと……
ブラックなんとかってチームもいた(笑)」

「それって、ブラックオーバー!!?
スゲーな!臣吾」

「で?入ったの?」

「ううん。
幹部はまぁ…別にマシだったけど、それ以外は雑魚だったし」

「雑魚って……」
「いやいや、ブラックオーバーはヤバいって…(笑)」

「“トップとタイマンして、俺に勝てたら仲間になってあげてもいいよ”って言って、タイマンはったけど……
なんかね…大したことなくて」

「「スゲー」」

天井に煙草の煙を吐く臣吾を、光仁の友人達は尊敬の眼差しで見つめていた。


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