恋愛なんてしない

急に女の人の声が聞こえてびっくりして振り返る。

「先輩!!こんなところで会うなんて偶然!飲み会終わったんですか?」

よく見れば、先輩を誘っている後輩がいた。


角度的に、後輩から私は見えていないみたい。

「あぁ...。でももう帰るところだから。」

「これからどこか行きませんか?」

「俺、予定あるから。」

「え、でも今帰るところって言ってましたよね?」


ここで私が出て行くのもな...。と思いつつ、先輩がどういう風に返すのか陰から見ていると。

「俺、大切な人がいるんだ。出来るだけその人の為に時間使いたいから飲みに行ったりどこかに一緒に出かけたりすることはない。」

「え、それって。」

「ごめん、申し訳ないけどそういう事だから帰って。」


後輩は目に涙を溜めながら遠くへ走って行くのが見えた。

「ごめん瑞希。帰ろ。」

「あ、うん。」

< 114 / 122 >

この作品をシェア

pagetop