恋愛なんてしない
さっきの出来事を思い出して、ふと口に出してしまう。
「遥斗くんって、やっぱりモテるんだね。」
「え?」
「あ、いや。さっきの、さ。あの子きっと遥斗くんの事好きだったでしょ?」
「あー、まぁ。そうだね。」
「何で私を選んでくれたの?」
ずっと気になっていたこと。聞いてみたかったことを聞いてみた。
「そうだなあ。」
そう言って私をじっと見た先輩。
「俺、瑞希が入社したときから気になってたんだ。最初は仕事のやり方とか姿勢を見ていいなって思った。でも特に仕事で関わることもなかったし、好きとかそういうのになったわけではなくてさ。」
「うん。」
仕事の姿勢を見てくれていたんだと思うとそれだけでも嬉しくなる。
「何年か前にさ、社員旅行でバーベキューした時にみんなが嫌がってやらないような焦げ付いた網洗ってんの見ていい子だなーって。」