恋愛なんてしない

そんなことあったっけ。と、思い出していると

「俺手伝うよって言ったけど、相馬先輩はみんなが話したい人なのでみんなのところに行ってくださいって。」


あぁ思い出した。

山のコテージに社員旅行で行った時。そういえばそんなこともあったっけ。


「そこから瑞希本人が気になるようになった。」
「で、気づいたら目で追うようになってて。でもある時から、左手に指輪がついてんのに気付いた。」


そんなに昔から私のことを見ていてくれたとは思わなかった。

「もう俺の気持ちは届かないんだなぁって思ってた時、会社の外で話してる所見つけて。あんな事があって瑞希には申し訳ないけど、俺にチャンスが来たなって思った。」

「そうだったんだ。」

「うん、自分の気持ちに気付いた時に声かけてなかったこと後悔したから。次はそうなりたくなくて。」

「そっか。ありがとう、教えてくれて。」

「だから俺は今の自分の時間を出来る限り瑞希に使いたい。」

「私も。」


目が合うと、先輩はニコッと笑って。そのまま顔が近づいて唇同士が触れ合う。

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