恋愛なんてしない

「え、相馬先輩?」

なんて声が聞こえてくる。


何の話かと、耳を澄ませて聞いているとどうやら出張先で大きな案件を取ってきた様子だった。

さすが先輩だな。と思いながら、業務に取り組む。

昼休みに管理会社から電話が来て、明日には家に戻れると聞いた。

家具も保証されるとのことである程度のものは明日届くとのことだった。


ということは、先輩の家にいるのは今日で最後か。

空っぽだった冷蔵庫を思い出し、定時で上がった私は冷蔵庫と冷凍庫に日頃の感謝も込めて、日持ちしそうな作り置きのごはんを作って入れておく。

ホテル代が浮いたのもあるので、数日分の光熱費も机に置いておく。


家は早めに出て、キャリーケースをコインロッカーに入れて会社へ向かう。


思ったよりも早く過ぎていった今日。

久しぶりに自分の家に帰ってきた。

確か先輩は明日帰って来るはず。


久しぶりの家に若干懐かしさを覚えつつも持って帰ってきたものを片付けて過ごしているとスマホが鳴る。

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