一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
すると右手が暖かくなった。

それは大きな手に包まれたからで。

「ちょっとだけ、いい?」

夜景を見たまま言った浅丘君の横顔。

手を繋ぐだけでもこんなにもドキドキして、嬉しい。

手から伝わればいいのに。

あたし、浅丘君が大好き。

たくさんの思い出ができた、修学旅行。

楽しかった。

ドキドキして、ハラハラして、ワクワクして。

浅丘君との距離も、少しだけ縮まった気がしたしね!





その頃の一ノ瀬家━━━━━━━━━━━━


「愛から電話が来ないよー!ねえ、大丈夫かな!?」

「何回電話してるんだよ、律兄。」

「玲もメール無視だし…お兄ちゃん泣くよ?」

「連絡がないのは楽しくやってるってことだよ。ほら、律兄も真も珈琲入れたから飲もう?」
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