神殺しのクロノスタシス2
「わ、私の…私の学院長室が…私の学院長室じゃなくなってる…!」

シルナ、愕然。

しかし。

「めっちゃスッキリしたな~」

少しは驚いたものの、もとの部屋とは打って変わって、非常にスマートなインテリアになっている。

そこの本棚も、以前は文庫本、新書本、単行本と、特に区別なく、てきと~に並べられていたのに。

何なら、本棚の癖に、お菓子の箱とかガラクタとかいった小物が、雑多に詰め込まれていたのに。

なんということでしょう。

まるで持ち主の性格と同じように、ダラダラしていた本達が、今は整然と、きちっと並べられている。

一冊ずつ大きさ順に並べられ、しかも何に関する魔導書かすぐに分かるように、ブックスタンドでそれぞれ分けて所蔵してある。

これは分かりやすい。

図書館に来たのかってくらい、綺麗に並べられてる。

これなら、「あれ?あの本何処だったかな…」って悩むこともなさそうだな。

すぐに、サッと見つけられる。

素晴らしい整頓術。

それどころか。

「おー…。めっちゃ綺麗になってるじゃん」

「でしょ?」

シルナのデスクの上。

これまた、つい先日まで、書類やらペンやらお菓子の包み紙やら、ごっちゃごちゃになっていたのに。

まるで、よく訓練された軍隊のように、きちっと並べられている。

デスクの引き出しなんて、もっと綺麗になってる。

用途によって、引き出しの中身が違う。

一番上は、生徒の成績表。

二番目は、授業の計画表。

三番目は、入学式書類一式。

みたいな感じに。

そこに、シルナの秘蔵のお菓子が介在する余地、なし。

「まるでシルナのデスクとは思えない美しさだな」

「でしょう?だいぶ捨てましたからね」

「捨てた!?」

茫然自失としていたシルナが、慌てて室内に駆けてきた。

「私の宝物の、生徒からもらった手紙写真その他は!?」

「ファイルにまとめて、そこの引き出しに」

綺麗にまとめてくれたらしい。

「あ、良かった…。…良かったじゃないよ!私が地味に溜めてた、お洒落なお菓子の空き箱とか、ケーキについてた可愛いリボンとかは!?」

「全部捨てました」

「えぇぇぇぇぇ!!」

何でお前、そんなの収集してるの?

そういうのは小学校辺りで卒業しろよ。

「お菓子!私のお菓子は何処!?秘蔵のチョコレートは!?」

半パニックを起こしているシルナ。

そういえば、シルナのデスクの横にあった、白いチェスト。

通称、シルナのお菓子コーナー。

そのチェストが、跡形もなくなくなり。

代わりに、ゴミ箱が置かれていた。

「イレースさんは捨てようって言ったんですけど、食べ物無駄にするのもアレなんで」

「…」

「生徒に配れるだけ配って、秘蔵のチョコレートとやらは、僕と天音さんが美味しく頂きました」

「…」

「秘蔵なだけあって、美味しかったですよ。ご馳走様でした」

…そうか。

お前達…良い仕事してくれて、本当ありがとうな。
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