神殺しのクロノスタシス2
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第三部3章 (11/39)
更に。
「あっ!君達良いところに!」
「えっ」
通りすがりの生徒達を、目敏く見つけたシルナ。
「こっちに来て、ツリーを一緒に飾ろうよ」
「え、あ…はい…?」
そりゃ困惑もするわな。
「時間があるなら、手伝ってやれよ。クリスマスパーティーが楽しみで仕方ないんだってさ、学院長は」
苦笑いで俺がそう言うと、通りすがりの生徒もまた、苦笑いで返し。
「分かりました。手伝います」
「俺も」
「じゃあ、私も」
続々と増えていく、ツリーに群がる生徒達。
「あっ!でもてっぺんの星は私が飾るから!そこは譲らないよ!」
ただし、大人気はない。
「ふーん…。クリスマス…」
ツリーを飾るシルナと生徒達を、ぼんやりと眺める令月。
…令月は、クリスマスとか、まともに祝ったことあるんだろうか。
それを彼に聞くのは、あまりにも酷な気がした。
だから。
「お前も一緒に飾ってこいよ」
「え?」
「クリスマスツリー。ほら、あいつらと一緒に」
「でも、だけど…僕は」
「お前もイーニシュフェルトの生徒の一員なんだよ。だったら、全力で青春を楽しめ」
俺は、令月の背中をそっと押した。
すると令月は、おずおずとクリスマスツリーに近づき。
小さな赤いリボンを、そっとツリーに飾った。
そのときの令月の顔は、年相応の少年そのものだった。
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