恋愛最前線
「私きのこ食べたいキノコ」
そう言って いろんな種類のキノコをカゴに入れまくっているのは ユミコ。 ショートヘアがすごく似合っている。
身長が低いせいか、年より若く見える。


バーベキューの買い物そっちのけで お菓子を大量に選んでいる 洋子。

ヒロコについて 一番 まじめに買い物しているのが智身。


「惣市くんだっけ?」
智身が話し掛ける。関西訛りだ。


「ん?そうだよ」
「何食べたい?好きなもの入れて」

惣市は、松坂牛のステーキを一枚かごにいれる。
「江戸川くんに怒られないかな」
智身は笑う。

ヒロコが
「あたしも食べたい」

「みんなの分かえばいいぢゃんか」
惣市は人数分ステーキをかごにいれる。


「お金足りないよ。いーよ。ジョーダンジョーダン!惣市くんだけ買いな」

ヒロコは一枚だけ残すと 元に戻した。


買い物を終えると別荘に戻る…


途中…

トラブル勃発。


「ざけんな。ボロチェロキー」

惣市は、兄のチェロキーの後方のタイヤにケリを入れた。


エンストらしく、助けを呼ぶにも、この山道では…

宏次朗たちの携帯を鳴らすが 誰も出ない。


というか こちら側の電波が不安定…


「あーフアーックだな」
「どうしようか…」

ヒロコは、2人残る。もし誰かが来たら 助けを求める。


残りは3人 歩きで別荘へ戻る。

車で30分…

あるけば数時間…


あまりの遅さに 宏次朗たちが気付いて こちら側に来てくれるかもしれない…


誰が 残るか。

誰が 行くか…。


「女の子3人だな」

ヒロコが言う。


じゃあ
「俺一人歩いてくから、4人でいなよ」

惣市は、それが一番安全だと思い 歩き出した。

「電波つながるようになったら宏次朗たちに電話いれてよ?気をつけてね」


4人は惣市の後ろ姿を見送る。


5分ほどして
「…くーん!」

なにか 後ろから 声がする…。

「そーいちくーん!待って」


智身だ…

惣市は、走ってくる智身を待った。
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