花隠し
「どれどれ、足揉んでやるよ。明日はもっと良くなるようにな」
毛布に手を突っ込み、ずいぶん細くなった私の足をてのひらで包む琉平。
「琉平の手、あったかいね」
「体温高いからな俺。寒いときはいつでもあっためるよ」
「ん……なんか眠くなりそう」
「寝てもいいぞ?起きたってそばにいるから」
「こら、何時まで居座る気?」
ゆっくりゆっくり筋肉をほぐされる。
まるで宝物に触れるような手つきに愛を感じた。
「……」
穏やかな時間なはず、なのに。
優しくされればされるほど、満たされる温もりとともに、真っ黒な負の感情が湧いてくる。
実里も、実里のお母さんも、地獄を味わったというのに。
私はひとり、のうのうと看病をされている。
その差と、目の前の現実に、心が蝕まれていく。
「ねぇ、琉平」
「ん?」
「私ね……実里も、実里のお母さんも、どっちも守りたかったんだ」
琉平の手がぴたりと止まる。