国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
「少し早めに夢が叶ったってことよね? 追放されて良かったのかも……そうよ。私、自由なんだわ!」

両手を伸ばして深呼吸すると、草原の香りがニーナの心を穏やかにしてくれる。
不当な処罰に苛立つ気持ちは、どこかに消えてしまった。



爽やかな気持ちのまま歩いていると、小さな女の子の姿が見えた。

しゃがみこんでいるその子は、どうやら怪我をしているようだった。片膝を擦りむいている。

「どうしたの? 大丈夫?」

ニーナはいつもの癖で声をかけた。すると少女は、ニーナを見るなり目を輝かせた。

「あ、聖女様だ! あのね、転んじゃったの。お怪我治してくれる?」

期待に満ちた表情を向けられ、ニーナの胸はチクリと痛んだ。

「ごめんね……。私はもう治せないの」
「えー! なんでー?」

少女はきょとんとした顔でニーナをのぞき込む。ニーナは黙って首を振った。

そして持っていた水で少女の傷口を清め、ハンカチを巻いてやる。

「今はこれしか出来ないの。でも痛みを消してあげる!」

そう言って少女に微笑むと、大きく息を吸った。


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