国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
「言葉の綾っていうか……長年生きてると、そういうこともあるというか……」
「ニーナ」
「……はい」
「正直に答えて」

(マズい。火に油を注いじゃったみたい……)

フェルディナンドは本当のことを言うまで逃してくれないだろう。
ニーナは仕方なく、今まで黙っていたことをぽつりぽつりと話し始めた。

「えーっと、あのー……聖女って実は、浄化とか治癒とか……本当は出来ないの」
「え? 何? どういうこと?」

フェルディナンドは困惑した声をあげた。
当然だ。
浄化や治癒能力こそが、聖女である証なのだから。

「出来ないって言うと語弊があるかもしれないけど、皆が思ってるような方法ではないってことなの」
「それは……どんな風に?」
「治してるようにみえるけど、実は病を引き取ってるだけなの。ほら、聖女って不老不死でしょう? 病気になっても死なないから……皆の怪我や病気を吸い取るの。それを治癒と呼んでいるだけ。浄化も似たようなものよ。悪い空気を吸い取ってるだけ。綺麗にしているわけじゃない。あ、結界は本物よ? 効果があるのかは知らないけど」

フェルディナンドはしばらく言葉を失っていた。
唖然とした表情で固まっている。

その反応を予想してたニーナは、何と声をかけるべきか悩んでいた。

(どうしよう……。だから大丈夫って言いたかっただけなのに。フェルは優しいから傷ついてしまうって分かっていたのに。……言ってしまった)

「あ、あのね、もう昔のことだし、気にしないで。痛みに慣れるのって悪いことばかりじゃなかったし。だから……フェル? 聞いてる?」



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