国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
するとフェルディナンドが助け船を出してくれた。
「あまり難しく考えないで。聖女だったニーナから見た、国のイメージを言ってみて。国民の生活や周辺国との関係。政治体制、経済状況、なんでも構わないから」
「イメージか……ルティシアは一見平穏な国だけど、アンバランスな国だと思うわ」
ニーナは心の奥底で感じていた違和感を素直に吐き出した。
「アンバランス?」
「何というか……外から見たルティシアは、小さいながらも豊かな国よね。だけど実際は、中身がスカスカなのよ」
「スカスカ……」
ニーナの言葉にフェルディナンドが目を細めた。ダークブルーの瞳がキラリと光る。
「私が……聖女がいるせいで、医療の発展は遅れていたわ。瘴気があるせいで周辺国からの攻撃はないけれど、それによって軍事力は低下している。資源が豊かで何もしなくても生きていけるから、国民の学習意欲や労働意欲が低い……みたいな感じ」
「あぁ、なるほど」
納得したようにフェルディナンドが頷いた。思い当たる節があるようだ。
豊かで平和な国にはよくあることなのかもしれない。
「もちろん悪いことだけではないわ。人々は比較的温厚だし、芸術にも造詣が深い。ただ、国を支える力は弱いのでしょうね。資源はもっと有効的に使えるはずだけど、使う人がいない。そんなアンバランスさが勿体ないと感じることがあったわね」
「本来の価値が失われている、ということかな?」
「そうね。でも単なる私の主観よ? 国として今も成り立っている以上、アンバランスでも均衡は保たれているはずだものね」
ニーナの回答にフェルディナンドはしばらく何かを考え込んでいた。
「あまり難しく考えないで。聖女だったニーナから見た、国のイメージを言ってみて。国民の生活や周辺国との関係。政治体制、経済状況、なんでも構わないから」
「イメージか……ルティシアは一見平穏な国だけど、アンバランスな国だと思うわ」
ニーナは心の奥底で感じていた違和感を素直に吐き出した。
「アンバランス?」
「何というか……外から見たルティシアは、小さいながらも豊かな国よね。だけど実際は、中身がスカスカなのよ」
「スカスカ……」
ニーナの言葉にフェルディナンドが目を細めた。ダークブルーの瞳がキラリと光る。
「私が……聖女がいるせいで、医療の発展は遅れていたわ。瘴気があるせいで周辺国からの攻撃はないけれど、それによって軍事力は低下している。資源が豊かで何もしなくても生きていけるから、国民の学習意欲や労働意欲が低い……みたいな感じ」
「あぁ、なるほど」
納得したようにフェルディナンドが頷いた。思い当たる節があるようだ。
豊かで平和な国にはよくあることなのかもしれない。
「もちろん悪いことだけではないわ。人々は比較的温厚だし、芸術にも造詣が深い。ただ、国を支える力は弱いのでしょうね。資源はもっと有効的に使えるはずだけど、使う人がいない。そんなアンバランスさが勿体ないと感じることがあったわね」
「本来の価値が失われている、ということかな?」
「そうね。でも単なる私の主観よ? 国として今も成り立っている以上、アンバランスでも均衡は保たれているはずだものね」
ニーナの回答にフェルディナンドはしばらく何かを考え込んでいた。