国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
会ってみたい理由が知りたかったのだが、ヤンからは何も情報は得られなさそうだ。

ニーナはため息をつくと、買い物かごからパンケーキを取り出す。
先ほど市場で買ったそれは、まだほんのりと温かかった。

「私、今から食事をしようと思っていたのです。食べても構いませんか?」
「へ? あ、あぁ。どうぞどうぞ!」

ヤンはニーナの言動に戸惑っていたが、すぐに笑顔を作って了承してくれた。

ニーナは大きな口でパクリとパンケーキにかじりつく。本当は美味しいお茶を淹れて、ナイフとフォークで食べたかったけれど仕方がない。

(この後どうなるか分からないけれど、腹ごしらえは大事よね。万が一拘束されるようなことがあれば、しばらく食べられないだろうし)

もぐもぐと食べていると、ヤンの視線に気がついた。
ニーナはパンケーキをもう一枚取り出すと、ヤンへと差し出す。

「ヤンさんも食べますか? 到着まではまだ時間がかかるでしょう?」
「え? えーっと……ありがとうございます。ではいただきます」

大人しくパンケーキを受け取ったヤンはニーナを見習ってパクパクとパンケーキを食べ始めた。

ニーナは食べながら窓の外を見る。

(さて、どうなることやら……)

流れていく景色を見ながら、またため息をつくのだった。


< 68 / 175 >

この作品をシェア

pagetop