国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
「到着しましたよ」
「わぁ……!」

ニーナが城に到着して一番驚いたのが、その大きさだ。
もはやどこからどこまで城なのか分からない。
ルティシアの城よりも倍以上の大きさがありそうだ。

ただ華やかなルティシアの城とは違い、無骨で『要塞』と言ったほうが相応しい。

「迷子になりそう……」

馬車から降りたニーナは、巨城を前に立ち眩みを起こしそうだった。

「広くて迷路のようでしょう? ご案内しますね。決して離れないでください」

ヤンにエスコートされて城内を進んでいく。気が遠くなるほど歩いた頃、ヤンはようやく大きな扉の前で立ち止まった。

「こちらです」

重厚な扉が開くと、大きな広間の奥に玉座が見えた。
そこに座っているのが皇帝だろう。
両隣にはフェルディナンドとマーティスの姿もあった。

ニーナは中央まで進み出ると、さっと頭を下げた。

「ニーナ・バイエルンと申します」
「頭を上げよ」

低くよく通る声が響く。
ニーナがそっと顔を上げると、険しい顔の男性がこちらを見ていた。

(この人が皇帝陛下……ちょっと顔がフェルやマーティス様に似ているわね)

ダークブルーの鋭い瞳と黄金の髪、そして深く刻まれた顔の皺が皇帝の威厳を放っていた。


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