俺の妻に手を出すな~離婚前提なのに、御曹司の独占愛が爆発して~
「でも、蒼真さんが薬学部を出てるのは驚きました。後継者だから単純に経営学部とかそのあたりかと思っていて」

里穂の言葉に、蒼真は「それも考えた」と答える。

「母が昔からメディカルメイクにどっぷりだったから、その影響。薬の力で治療できるものは治療して、あとはメイクでカバーするのがベストだよなと考えて。だったらしっかり勉強しないと説得力はないし。まさかそこまで恭太郞がついてくるとは思わなかったが」

小さなため息を吐く蒼真の横顔は、ひどく穏やかで優しい。

言葉とは裏腹にうれしかったのだとわかる。

「花音ちゃんもここで素敵なお友達と出会えるといいですね。蒼真さんと恭太郞君のような、長く付き合えるお友達と」

「俺と恭太郞?」

納得できないとばかりに蒼真は眉を寄せるものの、それ以上なにも言わず再びレンガ造りの建物に視線を向けた。

否定できないようだ。

「花音ちゃん、合格してほしいですよね」

「あれだけ利発で元気なら、合格するだろ」

「ですよね」

そう言いつつも、それだけで国内最難関だと言われている超名門小学校のお受験を突破できるとは思えない。

けれどママ思いで優しい花音なら、神様も素敵な結果を与えてくれるはずだ。

里穂は小さな身体でランドセルを背負い門を通り抜ける花音を想像して小さく微笑んだ。

「わざわざ案内していただいて、ありがとうございます」

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