俺の妻に手を出すな~離婚前提なのに、御曹司の独占愛が爆発して~
里穂は混乱する。仕事中に見合いをするのだろうか。

「違うの。お見合いしようとしない部長にしびれを切らした常務が、お見合い相手の女性をこっそり連れてきただけ。すぐに追い返したけど、あの常務が簡単にあきらめるとは思えないし、それに相手の女性、麗美さんって言ったかな。取引先の社長令嬢らしいけど、気が強いわがままお嬢様で部長が気に入るような人じゃなかった」

「そうなんだ。常務さんって、よっぽどお見合いをさせたいのね」
 
雫はコクコクとうなずいた。

「あのね。恭太郞から教えてもらったんだけど。常務は社長の弟なの。社長と年が十歳以上離れてるからか甘やかされて育ってきた典型的なできの悪い御曹司。若い頃から問題ばかり起こすから先代も手を焼いていてうちで働かせるつもりはなかったらしいんだけどね。そんな感じだから他の会社にも就職できなくて、結局うちに入れるしかなかったんだって」

「できの悪い御曹司」

ここでもまた御曹司かとつい笑いそうになるのを堪えながら、里穂はそれからしばらくの間、雫の話に耳を傾けていた。






その日以来、桐生はときおり店を訪れるようになった。
 
仕事帰りに雫や恭太郞と連れだって来ることもあれば、ひとりでふらりと立ち寄ることもある。

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