俺の妻に手を出すな~離婚前提なのに、御曹司の独占愛が爆発して~
それでもぐっすり眠り続ける里穂の額に掠めるだけのキスを落とした。

本当なら額ではなく唇に、そしてその先に進み里穂と愛し合いたい。

今もきっちり留められたパジャマのボタンをすべて外して里穂の体温を直接感じ、奥深くに触れたいと、全身が訴えているのがわかる。

「里穂……」

熱にまみれた思いをやり過ごすように、蒼真は里穂の身体を慎重に抱きしめた。

手を出さないという蒼真の言葉を信じている里穂を裏切ってがっかりさせたくない。

里穂を抱く時は、彼女がそれを求めていると感じた時。

そう決めている。

とはいえ独りよがりにも思えるこの忍耐力がいつまでもつのか、自信がなくなりつつあるのも確かだ。

「俺のこと、好きになれよ」

蒼真はまるで洗脳するかのように里穂の耳元にささやくと、柔らかな身体を抱きしめ直し、目を閉じた。






翌日の夕方、仕事を終えた雫が満面に笑みを浮かべて店に飛び込んで来た。

「お帰り。どうしたの?」

里穂が乱暴に開けられた扉を気にしながら声をかけると、雫はカウンターに腰を下ろし、勢いよく話し始めた。

「今日は一日中部長の結婚のことで大騒ぎ。相手はモデルレベルのすっごい美人だってもちきり」

「え? モデルレベル?」

< 143 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop