俺の妻に手を出すな~離婚前提なのに、御曹司の独占愛が爆発して~
「そう。昨日社内報で結婚が公表されただけでも騒ぎになったのに、その前にとっくに話が広まってたみたい。お姉ちゃん、昨日カフェで常務とやり合ったんでしょう?」

雫が身を乗り出し面白がるように問いかける。

「やり合ったって、そんなこと、ない……けど」

否定できず、里穂は曖昧に答えた。

やり合ったつもりはないが、常務に強気な態度で迫った自覚はある。

蒼真をバカにしていた常務の顔を思い出すと、今も苛立ちが蘇る。

「運が悪かったね。あのカフェってうちの社員お気に入りだから、結構な人数に見られてたみたい」

「やっぱり」

里穂は肩を落とした。

「蒼真さんは大丈夫? 仕事に影響が出てるとか面倒なことになってない?」

「全然っ」

雫はきっぱり否定する。

「まあ、当たり前だけど、今日は会う人会う人全員にお祝いの言葉をかけられてるし、同期の人とかにはからかわれっぱなしだったけど、部長、ずっとうれしそうだったんだよね。いつもなら作り笑顔でかわすとか出張の口実つくって本社から出ちゃうのに。別人みたいだった」

「仕事に差し障りがなければそれでいいんだけど」

メディカルメイクのことだけでなく仕事に集中するために実行した結婚のせいで仕事に支障が出ては本末転倒だ。

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