俺の妻に手を出すな~離婚前提なのに、御曹司の独占愛が爆発して~
杏華堂には社長の妻で副社長でもある杏が取り仕切る『メディカルメイク事業部』という部署がある。

事故や病気などで顔や身体に傷を負った人、生まれつきあざや傷があったり、病気の治療過程での外見の変化に心を痛めたりしている人のために設立された部署で、定期的にメイクの講習会を実施している。

設立に至ったのは、杏が大病を患う友人が薬剤の副作用で頭髪が抜け顔がむくんだことを気に病む姿を目の当たりにしたことが、きっかけだそうだ。

杏は化粧品メーカーで商品開発を手がける自分に友人のためになにかできることはないかと当時副社長だった夫に相談し、あらゆる事情で外見に悩みを抱える人の役に立つ化粧品を開発しようと決めた。

その後数年をかけて商品を開発し、同じ悩みを持つ者同士の交流の場を用意するため、お茶会を兼ねた、効果的なメイクの講習会を続けてきた。

講習会当日の今日、ここ一年参加を続けている佳也子に付き添い、里穂も会場である杏華堂が経営するカフェにやってきた。

バリアフリーの店内は広々として明るく清潔感に溢れ、足を踏み入れた途端気持ちが晴れやかになる。

里穂はここで過ごす時間が大好きで、この日をいつも楽しみにしている。

最近では里穂自身もただ参加するだけでなく、自身の特技を生かしたお手伝いをするようになった。

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