he said , she said[完結編]
今日の瞳子はツインニットにフレアスカートというさりげない装いだった。
ニュアンスカラーのニットはしゃれた色で、いかにも触り心地がよさそうだ。

瞳子にしてはリップの色が濃く、こっくりしたテラコッタカラーだが、それも大人っぽく映って新鮮だった。

道すがら交わすやりとりも、ずいぶんと滑らかなものになってきた。

「インテリアも凝りだすとキリがなくて」
言葉遣いを丁寧語から、いわゆる “タメ口” に変えてゆく。
「インテリアショップで扱っているセンスのいい物を揃えれば、見栄えはいいけどそれだけだとなんていうか…」

「モデルルームみたいになっちゃう?」
瞳子が言葉を引き取る。

「そう、そうなんだ」
思わずうなずく。
「なんかつまらなくて、愛着がわかなかったり。本当に俺はコレが欲しかったんだっけ、って」

言いながらこれは女性にも通じることだなと、ふと気づく。

控えめながらも率直で、ときに鋭さものぞかせる瞳子との会話は楽しい。
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