エリートなあなた


どうやら彼女さんは、予定よりも仕事で遅れているらしい。



そして気になるのが、…私の隣の席にもう一客分用意された席である。



「もうひとり、どなたか見えるんですか?」


「うん、その予定」


「どなたなんですか?」


「友達っていうか、…面白い人」


「ええ?その表現って、」


「不思議なんだよねぇ――会えば納得するよ」


彼女さんが不在のまま、ドリンクをオーダーするわけにもいかず。



お冷やを出して貰って、のんびり雑談を交わしながら時が立つのを待つ。



襖を隔てた向こうはガヤガヤと騒がしく、ここの空間が別に感じられる。



どこからか漂って来る、美味しそうな香りも鼻腔を擽るから困りもの。



そろそろお腹が減ってきたのは、どうやら向かいに座る人も同じらしい。



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