エリートなあなた


コクンとひとつ頷いたところ、眼光鋭い視線がまた松岡さんへ向けられた。



「そうそう、オレの彼女さんが絵美なの。

大学ん時から付き合ってるしねぇ、ご長寿カップルよ?」


「あんなヤツだけどね」


「お姉さまひどーい」


「…は、はぁ」


前方からくすくす笑って聞こえる声には、いっさい耳を傾けず微笑んだ彼女。



「喉乾いた!先に飲みたいんだけど!」と、今度はメニュー表を眺めている。



2人が付き合っていると分かった。けれどそんなシンプルなことに頭が上手く働かない。



不意に知らされてしまったおめでたい事実が、ある人へ繋いでしまう。




――それなら絵美さんを好きな、黒岩課長はどうなるの…?



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