エリートなあなた
――大好きな先輩の優しさを踏みにじるなんて、この場でいったい誰が出来ると思う?
「ていうか修平、アンタ聞いてんの?」
またもや黒岩課長へ向けられる非難の目が辛くて、反射的に俯いてしまった。
それなのに、頭に置かれた手の感触で今度は隣を見てしまう。
ダークグレイの眼差しを受け止めると、初めてフッと微笑んでくれた。
「…ごめんな、吉川さん」と言って、そのまま優しくポンポンと叩く課長。
「い、いえっ、そんな!」
ただでさえ狭い、正方形のテーブル席。さらに近づいた距離が、爽やかな香りまで連れて来る。