エリートなあなた
それこそ設計担当の図面作成ミスとか、調達した材料の質が悪いからだとか。
問題点だけが浮き彫りになって、また調整すれば別の箇所に不具合が発生したり…。
そうして何度も衝突を重ねながら、本件に携わった者が一丸となり形となった経緯がある。
松岡さんの的確な指示に支えられて、今日の午前中まで私も東奔西走していた。
さらに松岡さんの下で働いていると、奇想天外な発言と突飛な行動には驚くばかり。
マイペースに見えるのに、実はとても要領よく割り振って素早い指示が飛んでくる。
私のような後輩にも信頼して任せてくれるし、モチベーション・アップも上手い。
今回のサンプル選出にしても、松岡さんだから未熟な私の報告を信頼してくれたと思う。
「真帆ちゃん、そんなに忙しくて大丈夫?ちゃんと食べてる?」
「もちろんです!腹が減っては戦は出来ません、」
フッと口元を緩めて笑みを見せながら、手はまた慣れた手つきで髪を撫でた。
「松岡さんこそ、無理しないで下さいね?」
「それじゃあ膝枕してくれる?」
「それは丁重にお断りしますけど、」
「えー、じゃあ添い寝?」
「もっとイヤです!」
こんな砕けたところが彼の有能の片鱗だと、最近になってようやく理解したけれど…。