エリートなあなた
もちろんこれが私の仕事であると承知しているけれど。
社内外で温厚と評判の松岡さんですら、この方のクレーム・メールが入ると舌打ちを何度かしていた。
たしかに大企業で34歳で課長職をされているのは、一般的に見て出世頭かもしれない。
外見はがっしりした体型のスポーツマンタイプで、好みはあるにしろ割と格好も良い方だろう。
けれど私にとっては取引先の相手ではなく、女性目線で天敵と位置づけていた。
「あーアイツと会うのメンド、」
「ま、松岡さん!本音言ったら」
「真帆ちゃんもそう思ってるでしょ?」
顔色を読み取られた松岡さんが、今回の案件でこちらへ来たのはこれで2度目である。
初回の打合せと私の紹介を兼ねて訪れた以降は、全面的に私に任せて下さったため。
そのためステップアップしたことが嬉しくて、何度もこれで大丈夫か準備確認した。
そうして臨んだ次の打合せで、本性を見たことが一番の理由である…。