エリートなあなた
さっきだって、“佐々木さん”と呼ぶことに違和感を覚えてしまったのは事実。
それでも仕事モードへと入ってしまえば、彼が誰であろうと関係なくなる。
「――何度も協議を重ねました結果、今回の状態でよろしいかと存じますが、いかがでしょうか?」
そのあいだ松岡さんは、傍らで簡単なフォローに入って下さっただけ。
向かいの彼もまた頷きながら話を聞き、時おりその箇所で質問をして来る程度。
ひと通り今までの経過を話してから、これでラストとなる最終ご意見うかがいをした。
これで本当のOKを頂ければ、ようやく製品化へ着手することになる。