エリートなあなた
「ホント、ウチの課長が言ってた担当者がまさか真帆とはねぇ」
「…課長さん、なんて言ってたの?」
セクハラまがいの行為を受けていた私は、やっぱり想像するのも嫌悪感があるけれど。
「すっげぇ美人で控えめな子だって聞いてたのにさぁ。
ドア開けたら真帆!――詐欺だろ、思いっきり!」
「それこそ失礼でしょっ!?」
軽口を叩く彼にほだされて返す。その繰り返しをするうち、顔を見合って大笑いする。
そこへアルコールが到着し、カクテルのグラスとビールジョッキを軽く合わせて乾杯。
喉を通っていく液体はほのかに甘くて美味しい。向かいの彼もまたゴクゴクと豪快にジョッキを空けていた。
さらに注文した品が徐々に運ばれてきて、取り皿に分けてそれぞれのお腹を満たす。
「これ食ってみろよ」
「なにこれ美味しい…!」
「やっぱ食い意地は相変わらずだ」
「食い意地じゃなくて、せめて食いしん坊にしてよ!」
「食い意地といえば瑞穂だよなー…」
そうしてたった1年前の昔話に花が咲き、また笑いが起きる無限のループだ。