エリートなあなた
ようやく終わった今回の案件の他に担当している品もあって、のんびりしていられないのだ。
「苦労を重ねた分がすべて実を結ぶとは限らないけど――完成品が認められた時は、最高に清々しいと思える仕事だからね。
だから皆、頑張っているんだろうな…」
微笑してまた缶ビールを飲んだ修平さんこそ、日々忙殺されているのに疲労の色は一切見えない。
実際のところ、構造課が課として成り立ちだした現在――伊藤部長や他の課のサポートも行なっている。
正直言えば私のような下っ端では、彼の業務内容がほぼ把握できないくらい動き回っているのだ。
ボーっとビールを美味しそうに飲む姿を眺めていたら、ダークグレイの瞳がこちらに焦点を合わせた。
「真帆は、いつも笑顔でこなす“試作部のマドンナ”だし」
「あっ!その言葉禁句ですよ!?」
ニヤリ、と口角を上げて言われたフレーズ。それに過剰反応して立ち上がってしまう私。