エリートなあなた


「あ、そういえば!」


髪を拭き終えて向かいの席へ着いた私。そこで思い出したように声を上げた。



「どうした?」


2人前はあろうかというパスタをあっという間に完食した修平さん。早くも2本目の缶ビールを片手に私を見てくる。



「うーん、…明日は出勤しないとマズいなぁと。…今度のプレゼン準備が進んでなくて」


思い出した途端、あー…とテーブルへ突っ伏してしまいたい気分になった。



「そうなの?俺も会議あるし、一日会社だよ――あ、松岡も出る、…いやほぼ出勤だ」


「そうですか、不謹慎だけどちょっと良かった…。皆さんの方がバタバタですよね」


彼の飄々とした声音に、聞いた者たちをホッとさせる力があるのは事実。



苦笑して重ねる私はこの声に一体何度、救われたのか計り知れない。



今日は直帰なんてさせて頂いたものの、仕事はエンドレスで日々積み重なっていく。



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