エリートなあなた
彼の言う通り、構造課の新設から開発製品の多様化に繋がり、会社売上も前年より5%上昇修正に切り替えている。
これは構造課へ尽力したメンバーの力はもちろん、陰ながらすべてをサポートをした修平さんの努力の賜物だろう。
――むしろリーダーの手腕が試される中、すべてを背負ってくれたから上手くいった。…彼でなければ無理だったと思う。
「…修平さん、」
「どうした?」
ダークグレイの瞳を向けられているのに、頬を伝う涙はもう止められなかった。
決して口にしなかったけれど、日本に残ったのは自身の為だけじゃない。
まだまだ脆さのある、試作部が安定成長を遂げるまでは行けないと――
きっと彼の密かな愛社精神が、支社を選んで本社行きを断らせていたんだ…。