エリートなあなた
だけれど、…いままでの話を合算すると、そもそもの原因は私じゃないの?
私を異動させたせいで、余計に揉める火種を蒔いてしまったんじゃないの…?
「いいか?よく聞いて欲しい。どれも決して、真帆のせいじゃないからな?
俺が本社行きを拒んだ時点では、支社は俺の主張に応戦してくれたんだ。…元々、仲が良くないのも知ってるだろう?
それに、いま出向させるのは支社としては困ると言ってくれてね…。
だけど、それで拗れた部分があったのはまた事実。…本社の癇に障ってしまったんだよ。
つまり責任は俺にある――だから関係修復のためにも、どうしても来いと行ってくれる本社へは、条件クリア後に行くと最初から決めていたんだ。
さすがに色々と無茶したこともあったけどな、…部署の変化は皆のお陰だよ」
甘さを感じる低音ボイス――今日はさらに涙を誘う声色にしか聞こえない。
「以前の真帆にはまだ言えなかったけど、…本当の条件はここにあったんだよ。
今はもう試作部のメンバーとして、一人立ちしているだろ?
だから大丈夫って言えるから、すべてを話すことにしたんだ。…分かった?」
聞かなくてもいつも答えをくれる彼の優しさに涙が止まらず。
嗚咽を漏らさないように堪える私は、頷くことで精一杯だ。