エリートなあなた
今まで膨らんでいた小さな疑問と謎が、ようやくすべて解けた。
修平さんが他の課長よりも極端に多忙な理由も、私との関係をナイショにした理由だって。
それらがまるで一本の線のように、全ての理由を答えとして繋いでいた。
車内のエアコンの温風さえ涙を乾かす材料にはならず、涙が枯れるのを待つだけだ。
「ようやく支社と結んでいた条件をクリアしたから、本社へ出向することになったんだ。
――真帆、…分かってくれる?」
いつものように涙を拭ってくれて、その優しい声で尋ねられたとしても。
「…や、だっ」
声にならない声とともに、頭を左右へと懸命に振っている私がいた。
――大好きな修平さんを“待つ”ことが耐えられない、と体現するように。
「…真帆、」
「…やぁ、…いかっ、なぃで…!」
彼の低音ボイスに戸惑いに変えるほど、コドモ染みた我が儘で困らせていると分かっているのに。