エリートなあなた
すると脇に置かれたプロジェクターが、優しく黒岩課長の顔を映し出す。
捉えたダークグレイの眼差しは、今日も無機質な色をたたえていた。
「絶対怒ってますって、…ほんと」
「…じゃあ起こせなかったオマエが怒られてよ」
「なんっすか、その不条理…!」
「少年よ大志を抱けー」
「あー、はい…あとで俺が怒られますよ」
まだ松岡さんに翻弄される遠藤さんを尻目に、課長は発表者へと視線を移した。
さっきまで感じてた眠気は、冷水を浴びせられたみたいに消えてしまった。
「…どーした真帆ちゃん?」
「え、いいえ?」
隣からの注意喚起で幾分、目が覚めたのだろうか。松岡さんの声色は、いつもと同じに聞こえた。
何でもない、と頭を振って正面を無言で見据える私。
また始まった――ズキズキと胸に感じる、この鈍い痛みは今日も増すばかり…。