無愛想な天才外科医と最高難度の身代わり婚~甘く豹変した旦那様に捕まりました~【職業男子×溺愛大逆転シリーズ】
真紘が行ってしまってからは、由惟はソファに座って抜け殻のように空を見つめていた。
何もする気が起きない。食欲もない。
内側から自分を責める言葉が生まれて、次々と体を突き刺していく。
どれくらい時間が経ったのかはわからない。ずっとソファに座ったままでいたら、不意に玄関のチャイムが鳴った。
気だるい体を奮い立たせ、なんとか亀の歩みで玄関まで向かう。
訪ねてきたのは、ハウスキーパーの菅原だった。彼女は二日に一回、真紘の家に派遣されているが、今日が訪問日であることはすっかり忘れていた。呆然としていると、菅原は由惟の顔を見るなり「どうしたんですか、その顔?!」と喫驚した。
「ちょっと、色々あって……」
会話をする気力もなく、由惟は逃げるように入れ替わりで家を出た。
今日の家事を全て菅原に任せてしまうのは申し訳ない。だが誰かと話しているとまた悲しみがぶり返してしまいそうで、その場に留まることはできなかった。
慌てて出てきたせいで財布もスマホも忘れてしまったが、戻る気にもなれない。
由惟は行く当てもなくトボトボと街を歩いた。やたらと白い冬の太陽が目に沁みる。寝不足に加え、朝から何も食べていないので足元がおぼつかない。
しまいにはグラングランと視界が揺れ出して、由惟は路上で立ち止まった。歩道のガードレールに手をつき、いつの間にか荒くなっていた呼吸を整えるようとする。
しかし、胸の拍動は落ち着く気配を見せず、視界は握り潰されるようにどんどん歪んでいって――
「由惟!」
刹那、自分を呼ぶ声が聞こえた。
けれども意識は薄れていき、由惟はその場に倒れ込んだ。
何もする気が起きない。食欲もない。
内側から自分を責める言葉が生まれて、次々と体を突き刺していく。
どれくらい時間が経ったのかはわからない。ずっとソファに座ったままでいたら、不意に玄関のチャイムが鳴った。
気だるい体を奮い立たせ、なんとか亀の歩みで玄関まで向かう。
訪ねてきたのは、ハウスキーパーの菅原だった。彼女は二日に一回、真紘の家に派遣されているが、今日が訪問日であることはすっかり忘れていた。呆然としていると、菅原は由惟の顔を見るなり「どうしたんですか、その顔?!」と喫驚した。
「ちょっと、色々あって……」
会話をする気力もなく、由惟は逃げるように入れ替わりで家を出た。
今日の家事を全て菅原に任せてしまうのは申し訳ない。だが誰かと話しているとまた悲しみがぶり返してしまいそうで、その場に留まることはできなかった。
慌てて出てきたせいで財布もスマホも忘れてしまったが、戻る気にもなれない。
由惟は行く当てもなくトボトボと街を歩いた。やたらと白い冬の太陽が目に沁みる。寝不足に加え、朝から何も食べていないので足元がおぼつかない。
しまいにはグラングランと視界が揺れ出して、由惟は路上で立ち止まった。歩道のガードレールに手をつき、いつの間にか荒くなっていた呼吸を整えるようとする。
しかし、胸の拍動は落ち着く気配を見せず、視界は握り潰されるようにどんどん歪んでいって――
「由惟!」
刹那、自分を呼ぶ声が聞こえた。
けれども意識は薄れていき、由惟はその場に倒れ込んだ。